魔王「魔族が悪いとか言う風潮あるじゃん?」側近「はぁ」

著者:2chSSまとめ

カテゴリ:オリジナル

中編作品 (8971字)

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側近「人間側からしたらそうなるのでしょうね」

魔王「確かに魔族は人間の土地を攻めて侵略もした」

魔王「でもそれもう二百年ぐらい前じゃん。わしの六代前の初代魔王のときじゃん」

魔王「なんでまだ引っ張ってんの」

魔王「それにさ、侵略したっていってもさ、戦闘のすえに手に入れただけじゃん」

側近「人間側では魔族から攻めたことになっていますが」

魔王「魔族側からしたら先に攻めてきたのは人間側なんだけどなぁ」

側近「しかし、何故今そのようなことを?」

魔王「ほれ、人間の王からこのようなものがきた」

側近「!!これは・・」

魔王「水面下で進めていた『なかよくしよう』条約、王が変わったからといって勝手に反古にしてきた」

側近(もうちょっとましな名前なかったのかなぁ)

魔王「これより互いに不可侵、交流をしていこう」

魔王「魔族にとっても人間側にとってもこのままいがみつづけるより、よっぽど利益になる話と思ったんだけどなぁ」

側近「やはり、侵略したあと奴隷として人間を使った、と広まっているのが痛いですね」

魔王「それ事態もおかしいとこっちは思ってるんだけどね」

魔王「あくまで仕事としてやとっただけ、しっかり報酬をやった証拠の文書もあるんだけど」

側近「その点は侵略した、と広まってるてまえ、先の王も認めてはくれませんでしたね」

魔王「なんにせよ、『なかよくしよう』条約をいくら王が変わったからといって勝手に反故されるのは許せんな」

側近「ここ十数年、何度も紆余曲折を経てついに結ばれる直前ですからね」

魔王「しかも先にいった奴隷の件もこっちが譲歩しているというのに」

側近「どうされます?」

魔王「とにかく人間側でどんな動きがあったのか気になるな・・どうにか情報を手に入れる手はないか・・」

魔王「あっ、今勇者はどのへんいる?」

側近「今ちょうど我らの領土に入ってきたところです」

魔王「・・近隣の村はどうなっている?」

側近「・・いくつかはつぶされたとの報告が」

魔王「ようやく以前の勇者の進行から再建できたというのに・・」

魔王「これ以上、人間どもの好きにさせるわけにはいかない」

側近「!!では、ついに進行を・・」

魔王「いや、あくまで『なかよくしよう』条約の締結を考える」

魔王「そのために、勇者を少し利用させてもらおう・・」

勇者「――よし、今日はここらへんで休むか」

戦士「了解ー」

魔法使い「それにしても、さすがに魔族の領地ね・・さっきの村も、人間の領地の魔物とは強さが違ったわ」

勇者「まぁな・・きっとこれからどんどん強くなる、もっと気を引き閉めていかないと」

僧侶「・・・・・・・・・・」

勇者「?どうした、僧侶。具合でも悪いのか?」

僧侶「いえ・・そういう訳ではないのですが・・ただ・・」

戦士「僧侶のことだ、大方今日攻めこんだ魔族の村のことだろう」

魔法使い「なあに?――まさか魔族の村がかわいそうとか言い出すんじゃないでしょうね?」

僧侶「!!」

勇者「はぁ・・僧侶、いいか?お前も習っただろ?」

勇者「魔族は、俺達人間の領地を侵略し、そこに住んでいた人達を奴隷として使った」

勇者「なんとか魔族にとられた領地を取り戻したものの、魔族は何度も人間の領地を奪おうとし、そのたびに勇者が選ばれ魔王討伐の旅を行ってきた」

勇者「そして、今俺達はその旅に出ているんだ。俺達がぶれてどうするんだ」

僧侶「・・本当に、そうなのでしょうか?」

勇者「なに?」

僧侶「確かに旅にでる前はそのように習いました、今再び魔王軍が攻めてくる、と」

僧侶「しかし、領地の境や先程のその近隣の村、攻めるならもっとも兵をおかなくてはならないはずなのに、そのような武装した兵など見ませんでした」

戦士「しかし、村に入ったときやつらは俺達に武器を向けたぞ?」

僧侶「戦士さん、もしあなたが魔族の領地との境界の村にすんでいて、急に魔族が攻めいってきたらどうしますか?」

戦士「・・戦うだろう、その村を守るために」

僧侶「先程の魔族の人達も、そうだったのではありませんか?」

戦士「ばかな。魔族は高等な種意外、話も通じないものばかりだぞ?」

僧侶「・・それは私達からしたら、なのではないでしょうか」

僧侶「私達には分からないけれど、魔族同士では話ができるはずです」

僧侶「現に彼らは私達に武器を向けているとき、何か話かけていました・・意味は分かりませんが・・」

勇者「・・分かった、100歩譲ってその理論が正しいとしよう」

勇者「だが、それがどうして魔族が進行してこない理由になる?現にやつらは人間側の領地に来ていたんだぞ?」

僧侶「勇者様、思い出して下さい。人間の領地であった魔族がどういうものだったかを」

勇者「スライム、オーク、ゴブリン・・様々な種の魔物にあったな」

僧侶「では、彼らの共通点はなんでしょうか?」

勇者「・・?どれも攻撃方法も武器も、多種多様だが・・」

魔法使い「・・数ね」

魔法使い「私達が人間側で出会った魔族は、一度に一匹や二匹・・多くても数匹」

魔法使い「さっきの村のように数十匹という単位で出会ったことはなかった」

僧侶「その通りです。これはつまり・・」

勇者「今まで出会っていた魔族は、「はぐれ」だった、といいたいんだな?」

僧侶「はい、彼らは領地を奪おうとしてやってきているんじゃない・・何かしらの手違いで人間側に入ってきてしまった魔族なんじゃないか?って思うんです」

戦士「斥候の可能性は?」

僧侶「スライムやフェアリーならまだ分かりますが、オークやドワーフをスパイとしてあなたなら送り出しますか?」

戦士「・・なるほど」

勇者「・・つまりお前はこういいたいんだな?」

勇者「魔族は人間側に進行してくる気はない、すべては王国の勘違いだ、と」

僧侶「・・少なくとも、魔族に敵意があるとは思えません」

勇者「はぁ・・僧侶、お前疲れてるんだ、今日はもう休め」

僧侶「!!勇者さま・・」

勇者「だってそうだろ?やつらは魔族だ、かつて人間の領地を侵略した魔族なんだ」

勇者「火のないところに煙はたたない・・ここで僧侶の考え方をしたらそれこそ魔族の思うつぼで一気に攻めてくるに決まってるじゃないか」

僧侶「・・勇者様は先入観を持ちすぎです、今まで私達が見てきたものから判断するべきだと思います」勇者「なるほど、お前は王国が嘘をついている、と言いたいんだな?」

僧侶「!!決してそのようなことは・・!!」
「――いや、あながち間違ってはいないな」
戦士「!!いつの間に後ろに・・!!」

魔法使い「!!この膨大な魔力・・ただ者じゃない!!」

勇者「落ち着け!!俺達は今までの旅で強くなった・・どんなやつだって負けはしない!!そうだろ!?」

戦士「もちろんだ!!」

魔法使い「当たり前でしょ!!」

勇者「僧侶も今は話のことは忘れろ、こいつは確実に俺達に敵意がある。話はこいつを倒してからだ」

僧侶「!!はい!!」

勇者「よし、行くぞ!!うぉぉぉぉぉぉぉ!!」

戦士「やぁぁぁ!!」

魔法使い「ハアァァァ!!」

――――――
―――


大臣「王様、勇者がかえって参りました!!」

王様「おぉそうか!!では何かしら成果があったのだな?早く通せ通せ」

大臣「はっ。ただいま!!」

勇者「・・・・・・・・」

王様「おぉ、勇者よ。よくぞ戻った」

王様「して、どうであった?やはり魔族らは攻めてきておったか?」