朝倉「キョン君!キョン君!キョン君!キョン君!」キョン「・・・」

著者:2chSSまとめ

カテゴリ:涼宮ハルヒの憂鬱

長編作品 (12849字)

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朝倉「キョン君ってば!」

キョン「……お? 朝倉か、おはよう」

朝倉「あ……。お、おはよう」

キョン「何か、朝倉がこんな時間に登校なんて、イメージに合わないな」

朝倉「そ、そうなのよ。ちょっと、遅めに家を出てね」

キョン「そうか」

キョン「それより、早く行かないと遅刻だ。こんな時間に来といてなんだが、今日日直だからな、悪いが、先行くぞ」

朝倉「あー。う、うん。わかった」

キョン「じゃな、朝倉も急げよ。いくらお前でも、遅刻したら誤魔化してやんないからな」

朝倉「うん、気を付ける。じゃあね」

ーーー―――

朝倉「はぁー……」

長門「どうだった?」

朝倉「あ、長門さん……。うん、今日もかわされちゃった」

長門「そう」

朝倉「うーん。喜緑さんのアドバイス通りにやってみてるんだけどなー」

長門「『押して駄目なら引け、とは言いますけれど、押しきってしまえばイケるものですよ』と言っていた」

朝倉「そうよね。でも……」

長門「そう。しかし、彼はその『押す』をさせてくれない」

朝倉「なんか、段々凹んできちゃったわ……」

長門「大丈夫、元気を出して。貴女は十分、魅力的」

朝倉「長門さん……。うん、ありがとう」

長門「……むしろおかしいのは彼の方」

朝倉「え?」

長門「朝倉涼子が、あんなに話しかけているというのに、あのそっけない態度がそもそも有り得ない」

朝倉「長門さん……?」

長門「朝の挨拶を交わす位置やタイミング、その後のさりげない歩幅の調整まで、朝倉涼子はほぼ完璧だった。なのに日直などを優先させるとは、許しがたいこと」

朝倉「な、長門さーん?」

長門「朝倉涼子の遅刻の心配は良かったものの、一緒に遅刻するくらいがむしろベストだったのに、彼は全く、何もわかっていない」

朝倉「えーっと……」

長門「そろそろ男性として、むしろ人類として、まともなコミュニケーションを営む気があるのかを問い詰める段階まできている」

朝倉「いや、なにもそこまで……」

長門「甘やかすからいけない」

朝倉「でもあたしとしては、あんな事までしたのに彼が話してくれてるってだけで十分感謝すべきなんじゃ……」

長門「そんな考えでは、押す前から引いているようなもの」

朝倉「なんか今日の長門さん、キツい……」

長門「でも、貴女の言うことも十分あり得る」

朝倉「って言うと?」

長門「彼は貴女に壁を感じている可能性がある」

朝倉「そうよね。っていうか、それが普通なんじゃないかしら、有機生命体としては」

長門「もしそうだった場合、まずはそれを払拭しなければならない」

朝倉「でもそれって、あんまり簡単な事じゃないわよね……」

長門「大丈夫。私に考えがある」

朝倉「本当?」

長門「任せておいて、悪いようにはならない」

朝倉「長門さん」

長門「……と思う。多分」

朝倉「え」

ーーー―――

キョン「さて、と。日誌もつけたし、ようやく日直仕事から解放か……。あとは、と」

長門「……」

キョン「ん、長門じゃないか。ウチの教室に何か用事か?」

長門「そう」

キョン「そか。朝倉辺りか? でも、見ての通り、もう教室には俺だけだし」

長門「違う。用があるのは貴方に」

キョン「え、俺?」

長門「そう。ちょっと、ツラを貸して」

キョン「……ん? 長門さん?」

長門「齟齬。正しくは、一緒に来てほしい」

キョン「ああ、そうだよな。びっくりした」

長門「そう」

キョン「うん。しかし、一緒に行くのは構わんが、今日の団活は」

長門「中止。もとい、全員既に帰った」

キョン「そうなのか。日誌に時間かけすぎちまったな」

長門「それじゃあ、こっち。来て」

キョン「ああ、わかった」

---―――

キョン「で、だ」

朝倉「う、うん」

キョン「これは一体、どーゆー事だ」

長門「諦めるべき。どうせ結果は同じ」

キョン「いやいや、文芸部室に入った瞬間にす巻きとか、おかしいだろ」

長門「こうでもしないと、また逃げる」

キョン「またってなんだ、またって。そんなに言われるほど何かから逃げた覚えもないぞ」

長門「自覚なし。最早、処置無し」

キョン「何か怖いぞ、長門」

キョン「朝倉も、なんか言ってくれ。その狼狽えっぷりを見ると、お前も連れてこられたみたいだし」

朝倉「うん、そうなんだけど。長門さん、そろそろ何か教えてくれない?」

キョン「あと、せめて手はほどいてくれないか。痺れてきた」

長門「その要求に答えるのも、やぶさかではない」

キョン「じゃあ」

長門「ただし」

キョン「なんかあんのか」

長門「簡単な事。朝倉涼子に関する、貴方の評価を聞かせてほしい」

朝倉「な、長門さん!?」

キョン「評価?」

長門「そこまで大袈裟なものでなくて構わない。個人的にどんな印象を抱いているか程度で」

キョン「印象、ねぇ……」

長門「そう」

朝倉「……」

キョン「じゃあまず……ウチのクラス委員長だよな」

長門「そう」

キョン「だから、って訳でもないだろうけど、面倒見はいいし。まぁ、残念ながらハルヒにはあまりウケがよくないみたいだけど、まぁ、それはそれだ」

長門「続けて」

キョン「理由はどうあれ、大体笑顔だよな、イヤミでなし。気配りも大分……って、これは面倒見と同じか」

朝倉「キョン君……」

キョン「で、ナイフが似合う、と」

朝倉「」

長門「……」

キョン「な、何だよ。極力素直に言ったつもりだぞ」