セイバー「シロウ、オチ○ポミルクとはどのような飲み物ですか?」

著者:2chSSまとめ

カテゴリ:Fate

長編作品 (21117字)

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作品タグ: SS

居間

セイバー「……」ペラッ

士郎「珍しいな、セイバーが読書なんて」

セイバー「ライダーから借りました」

士郎「そっか。今日の昼食はなにがいい?」

セイバー「シロウにお任せします。それよりも飲みたいものがあるのですが」

士郎「飲みたいもの?ジュースならオレンジとアップルぐらいしか今はないな。お酒は藤ねえが持ってきた焼酎とウイスキーならあるけど」

セイバー「シロウ、オチ○ポミルクとはどのような飲み物ですか?」

士郎「……」

セイバー「あ、いえ、牛乳の類であることは名称から想像できます。しかし、飲んだ者の全てが奇声をあげながら美味だと賞賛しているので気になってしまって」

士郎「その本にそう書いてあったのか?」

セイバー「はい」

士郎「セイバー、わざとだろ?」

セイバー「わざと、とは?」

士郎「いや、だって、そう言う本を読んでるなら文の前後を読めばどういうものかわかるだろ?」

セイバー「いえ。分からないからこうしてシロウに頼んだのですが」

士郎「その本、どんなストーリーなんだ?」

セイバー「ある女子大生が誘拐され、監禁されるところから始まり、冒頭で問題のミルクが出てきます」

セイバー「初めは主人公もそのミルクを拒んでいたのですが、飲まされるうちに良さに気がついたのか頓狂な濁声をあげて、美味しいというようになります」

士郎「……」

セイバー「いつもジョッキで出てきます。ビールのようなものでしょうか?」

士郎「飲ませる描写しかないのか……?」

セイバー「はい」

士郎「……」

セイバー「シロウ、できれば私もこのミルクを飲んでみたいのです。ここまで気が狂うような叫びを発してしまうなら、味も格別なのでしょう」

士郎「……」

セイバー「オチ○ポミルク……どのような味なのか……。臭いといっているところもありますから、発酵しているとみました」

士郎「セイバー。それは小説の世界の話だ。そんなものはこの世に存在しない」

セイバー「え?!」ガタッ

士郎「悪いが諦めてくれ」

セイバー「そうですか。確かにフィクションの世界であることを失念していました……。残念です」

士郎「昼飯作るよ」

セイバー「はい……」

士郎「……」

セイバー「はぁ……」




大河「ふわぁぁ。桜ちゃーん、そろそろ帰る?」

桜「はい。もう少しで洗い物終わりますからー」

セイバー「……」

士郎「遠坂、お茶でも淹れようか?」

凛「うん。―――ねえ、衛宮くん?」

士郎「なんだ?」

凛「セイバー、妙に落ち込んでない?」

士郎「え……。き、気のせいだろ」

凛「……何かしたんじゃないでしょうね?」

士郎「してない。断じて」

凛「ふぅん……」

セイバー「はぁ……」

ライダー「……自室に戻ります」

セイバー「……道場は異常なし」

セイバー「よし。今日も衛宮邸は平和でした」

凛「お疲れ、セイバー」

セイバー「リン。いえ、これが私の務めですから」キリッ

凛「ところでさぁ、セイバー。何か気になることでもあるの?」

セイバー「何故ですか?」

凛「夕食のときから何回か溜息してたでしょ?桜も気にしてたわよ、セイバーが元気ないって。おかわりもいつもより一回少ないし」

セイバー「……いえ。皆に話しても意味のないことですから」

凛「どうして?」

セイバー「ゼロからは何も生まれません」

凛「何か欲しいの?」

セイバー「聖杯に願えばあるいはという程度の話です。もうやめましょう。私は諦めましたから」

凛「ちょっと、待って。どんなものかいうだけ言ってみなさいよ。私もいるし、場合によってはイリヤの手を借りればなんとかなるかもしれないでしょ?」

セイバー「リン……。その心遣い感謝します。その、実は、オチ○ポミルクを味わってみたいのです」

凛「……」

セイバー「現実にはなく、フィクションの世界にのみ存在する極上のミルクであるとシロウに説明されて……」

凛「ああ……うん、そうね。まぁ、セイバーやライダーにしてみれば最高のミルクかもね」

セイバー「どういうことですか?」

凛「ま、魔力が回復するし」

セイバー「なんと?!―――ちょっと、待ってください。その口ぶりから察するに実在するのですか?」

凛「あ、えっと、そういう設定だから!!」

セイバー「設定?そのような設定、どこにも記述はありませんでしたが」

凛「ほ、ほかの作品でそうなってるのよ……」

セイバー「他作品にも同様のものが存在しているのですか?まさか、人が神格化しすぎて、空想の存在となってしまった神話の遺物ということですか?」

凛「うーん……」

セイバー「宝具の類なら、英雄王が所持している可能性もありますね……。しかし、英雄王に頼んでも弄ばれるだけですし、なにより下げる頭など持ち合わせてはいない」

凛「……」

セイバー「くっ……しかし、味わってもみたい……どうすれば……」

凛「あの、セイバー、違うの……そうじゃなくて……」オロオロ

セイバー「なんですか?」

凛「えっと……あ、諦めろってことよ。もうこの世界には創作の中でしか実在してないのよ」

セイバー「やはり、そうでしたか……。無念です」

凛「はぁ……」

セイバー「申し訳ありませんでした、リン。余計な気遣いをさせてしまって」

凛「ううん、いいのよ。で、ちゃんと諦めた?」

セイバー「はい。無い物を強請るなんてことは愚者のすることです。その程度の分別なくして、ここには居ることができません」

凛「よかったわ。でも、くれぐれも変な気は起こさないでよね」

セイバー「凛、誰に向かって言っているのですか?」

凛「ごめん、ごめん。そうよね、セイバーなら心配ないわね。じゃ、おやすみ」

セイバー「はい、おやすみなさい」

セイバー「……」

セイバー「私も床につきましょう」


翌日 教会

セイバー「……」

ランサー「よぉ。珍しいな、単身で乗り込んでくるとは。神に祈ることでもできたのか?」

セイバー「……英雄王は不在ですか?」

ランサー「金ピカか?ああ、どっかほっつき歩いてると思うぜ。多分、夜まで帰ってこないな」

セイバー「……そうですか。好都合です」

ランサー「てめえ……。殺る気か?」

セイバー「いえ。私が堕ちなくて済んだ、ということです」